魚野川 万太郎本谷    平成16年8月7日ー9日

土樽駅10:45ー入渓点ー15:00井戸小屋沢出合(泊)6:15 −三の滝ー16:00肩の小屋(泊)−土合駅


関越トンネル換気口
土樽駅で沢仕様に代えて、歩き出す。11時前と云うのにもう、ゴロゴロと嫌な音と共に雨が降出してきた。午後の雷雨は予想していたがこんなにも早い時間からとは、この先が思いやられる。吾策新道の登山口の手前から旧道の方向に、工事中の林道を行くと旧道より上段につけられているようなので途中から枝沢を下りて旧道の踏み跡に出て、カラホリ沢の手前で本流に入渓する。雨は強くなった中、増水を気にしながらの遡行となる。ナメと小滝と淵の連続するので、のんびりと楽しみながら遡行する。大きな釜を持った5m滝は右を巻く。しばらく川原を行くと、正面に関越トンネルの換気口の搭が見えてくる。

井戸小屋沢の先のゴルジェと4m滝
右をヘツリ、残置シュリンゲで対岸へ
左側からカワダナ沢が落ち合うと、その先はゴルジェになる。右壁にスダレ状に滝が落ちている、写真でよく見るオキドウキョウトロの入り口が雨の中に霞んで見える。この下流の核心部は眺めるだけにして、左壁のバンドの始まりから巻く、簡単に巻ける。右から井戸小屋沢入る、この落合で今日はビバークと決める。丁度雨も止み、薪も豊富にあるので盛大な焚き火に、酒盛りでのんびり過ごす。久しぶりの焚き火を楽しむ。星空も見えてきて、雨の心配も無く、蚊帳ツエルトにもぐりこみ1日目を終える。井戸小屋沢を後にして、まもなく、ゴルジェが現れ、奥に4m滝が見える。右壁をヘツルように泳いで小さなルンゼに這い上がる。残地のシュリンゲを頼りに、ハング壁をトラバースして、もう一つ上の残置シュリンゲを使って対岸に移る。

一の滝
右を小さく巻く
右にオオグリ沢が40mナメ滝となって落ちている。この先、小滝、ナメが連続する。沢がS字に曲がった先に一の滝がドーンと現れる。近くで眺めてみるが直登する気にはならず、予定通り、右の壁を這い上がり左にトラバースすると小さなルンゼに会うので、ここを少し上がってからブッシュを頼りに左へトラバースすると、意外と簡単に滝口に降り立てる。一の滝を過ぎると倒木が多くなり、荒れた様子になる。

二の滝
二の滝は右から簡単に登れる。川原が広くなり、左にイシクラ沢が落ち合う。小滝を幾つか越えて、沢が狭くなってくると、右に三の滝沢が会い、左の険しい岩壁に2本の滝が見えてくる。手前の水量の多いのが三の滝のようだ。

三の滝
逆くの字の2段滝、2段目は左のスラブ斜面
三の滝は逆くの字の2段滝で、下段はほぼ垂直、上段は45度くらいのスラブとなっている。滝下で休憩しながら、ルートを探してから、空身で右壁に取り付き、左にトラバースしてからスラブを少し直登し、乾いたクラックを右に斜上するように登るが最後のところは、手がかりが無く、気合で登りきる。ビレーは残置に3個取る。2段目は水流の右脇から取り付き水流を越えてクラックを拾いながらくの字状に登る。2個目のビレーを取ると、次の一歩が濡れた逆層でいやらしいので、左の乾いた方に足がかりを求めるがここも逆層で勇気がいる。最後は潅木につかまる。ここが今回、一番緊張した。

左の滝を登ると奥の二俣
三の滝を過ぎた後は二俣がいくつも出てくるがすべて右股を行く。やがて傾斜も急となり、樋状の滝が多くなる。水が急に涸れるので、水取りを早めにして登る。笹原状になってからなかなか前に進まない、滑りやすい岩場が出てくるが疲れきった足には堪える。稜線が目の前に見えているがなかなか進まないもどかしさを感じる。笹の踏み跡をやや右寄りに取り、肩の小屋の70m下の登山道に出た。今日は小屋泊まりとする。昨日は満員だったそうですが、今日は我々2人の貸切です。小屋番さんから谷川の情報を聞きながら、焼酎のサービスもして頂き、真新しい小屋でゆっくり休ませてもらった。登山者に大変気を使ってくれる小屋番さんで、我々が食事中に疲れきった中年の人がコーヒーを頼むと疲れを取るようにと、チョコレートを渡していました。下山は天神尾根を下りて、ロープウエイを使用する。水上までバスで行き、巡回バスぶらり号(1日券500円)に乗って湯テルメ谷川の風呂に入って帰路に着く。